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宇宙芸術とは1

2008年10月13日 (月) 視点・論点「宇宙芸術」より

逢坂卓郎

皆さん今晩は。

本日は「宇宙芸術」というテーマでお話しをします。
宇宙と芸術というとかけ離れたものであり、又、あまりに壮大なテーマなので実感が湧かない方も居ると思います。しかし、古代より人類は天体の運行を仰ぎ見て様々な神話や巨大な構築物を創造してきました。宇宙芸術を語る時、過去と未来の両方へ目を向ける必要があると思います。

今お話しした古代遺跡や宗教空間、日本の茶室や庭の中には太陽の光を捕らえ、夏至、冬至、春分、秋分の日の現象を組み込んだ構造を多く見る事ができます。

1935年の春分の日の朝、イギリス軍の飛行機から偶然撮影されたエジプト・クフ王のピラミッド。右上のピラミッドの影の中に三角形の日なたの部分を見る事ができます。現在、地上から見る事はできませんが、当時は1年間に2回、王の墓の中央に天へ向かう王道が光と影となって立ち現れたのではないかと思われます。この偉業は天文学と土木技術の融合によるランドアートであり世界各地で見る事ができます。これからお話しする今日の宇宙芸術への道がこの頃より築かれていたと言っても過言ではないでしょう。


私は2002年から7人の日本の宇宙飛行士へインタビューを行ってきましたが、地球外の視点から地球を望む事。水平、垂直、上下左右が定まらない無重力空間の中で生活する事を通して、地球上の観念や既存の行為は、その見直しを迫られるように感じます。また何人かの宇宙飛行士達は芸術家や詩人が地球外から地球を観るという、彼らが体験した同じ視点を持ち得たのなら、どのような感情と発想を持つか興味深いと話しています。
宇宙開発とは人類の存続を賭けて行われている世界的なプロジェクトであり、このような取り組みはかつて無かったものです。宇宙空間における芸術についても前例がなく多様なジャンルとの協働による新しい総合的な芸術を目指さねばなりません。宇宙に於ける芸術の意義は、科学者や技術者とともに、哲学や心理学など人文科学分野からの視点を通して、世界や人類の在り方を検証しようとするところにあります。そしてこの研究が今までの様々な既成概念の検証へ繋がる事も期待されます。

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